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MADとは
IRFを補完する機能の一つでMAD(Multi Active Detection)があります。
MADにはいくつかの種類がありますが、
今回はMADの基本的な役割と動作について説明します。
IRFを構成しているSWのIRFポート間に異常が発生してバラバラになった場合、
それぞれのSWは各々Masterとして稼動してしまいます。
複数で一つの仮想SW(IRF)をするSWがそれぞれが勝手に動いてしまうと、
色々と不都合が発生します。
MADはIRFとして稼動させるべきSWを決めるために動作します。
MADの設定が無い場合
◆IRF構成

上記の構成で正常にIRFが稼動している状態です。
◆MADは無効の設定

ここではMADの設定は無効になっています。
◆IRFポート間が異常

IRF間が異常(IRFポートやケーブル異常など)になり、IRFを構成しているphysical-sw1とphysical-sw2がバラバラで稼動してしまう状態。
◆バラバラに稼動するため問題が発生

physical-sw1とphysical-sw2はそれぞれがIRFのMasterとして引き続き稼動してしまいます。
MADの設定が有効の場合
◆先程と同じ構成でMADが有効になっています

mad enableコマンドでMADを有効にしている状態です。
◆IRFポート間が異常

◆MAD機能

MAD機能が有効な場合はそれぞれのSWの設定を確認します。
◆Member IDを確認

ここではMember IDを比べます。
※Priorityではありません。
◆Member IDの一番小さな値を持つSW以外のSWの全てのI/Fをshutdownさせる

MADの機能を平たく言ってしまうと重複しないように一つのSWだけ稼動させて、
他のSWをシャットダウン状態(全てのI/Fをshutdown)にするものです。
Member IDの値が一番小さいSWを引き続き稼動させ、
他のSWは全て使えない状況にします。
もちろんMember IDが大きなSWのみに接続されている通信は、
復旧措置を取るまでは通信ができないので、
重要な通信は冗長構成をとっておいたり
MAD機能で残るSWにつなげておいたりする必要があります。
IRFのMasterを決めるときはPriority値が一番大きいものだったので
混同しないようにしてください。